ぺんてる株式会社 茨城工場

茨城県小美玉市上玉里2239-1

リサイクル100事業所部門

1. 会社概要

 ぺんてる株式会社は筆墨硯の卸問屋であった「堀江文海堂」を改編して、戦後間もない1946年に「大日本文具株式会社」として設立されました。これからの日本を支えるのは教育だとの創業者の信念により、学童用のクレヨンや水彩絵の具の製造を始めました。その後、筆記具の製造も始め、昭和38年に発売したサインペンの大ヒットにより、その増産に対応すべく翌年の昭和39年に茨城県小美玉市(旧玉里村)に弊社茨城工場が操業を開始しました。操業当初より自然を大切にする、近隣の皆様に迷惑を掛けないなどのポリシーにより排水処理施設などの環境設備導入も積極的に行ってきました。

 昭和46年に「ぺんてる株式会社」に社名変更をしました。

茨城工場
茨城工場

サクラ満開のころ
サクラ満開のころ

本社ビル(東京都中央区)
本社ビル(東京都中央区)


2. 茨城工場の沿革
1964年 サインペンの生産拠点として茨城工場操業開始
1974年 総合排水処理施設竣工。北関東地区のモデル施設
1997年 茨城県より「地球にやさしい企業」緑化部門にて表彰
1999年 ISO14001認証取得
2002年 茨城県より「地球にやさしい企業」管理監査部門にて表彰
2007年 茨城県エコ事業所登録認定(AAA)
2009年 茨城県エコ事業所登録認定(AAA-Mへランク変更)
2010年 エコ通勤優良事業所認証登録
2012年 茨城県リサイクル優良事業所(リサイクル100事業所)認定

3. 主要商品

 当社では、筆記具、描画材その他文具等の製造販売を行っております。その中で茨城工場ではマーキングペン(筆ペンやホワイトボードマーカーも含む)、ボールペン、学童用描画材(絵の具、クレヨン・パス、全芯色鉛筆)、消しゴム、修正液、及びこれらの技術を応用した他分野製品(化粧品、医療用製品、他)などの生産を行っております。

主要商品


4. 環境への取り組み
4-1 廃棄物管理

 廃棄物管理は、廃棄物の分別に始まり、廃棄物を減らす活動、そして廃棄物を有価物に代える活動(包装用ラップフィルム、一斗缶などの金属類、包装紙・コピー用紙・段ボール・新聞紙)も進めております。また直管蛍光管のリース化により廃蛍光管の適切かつ処理の簡素化を図りました。現在は紙類や輸送用ラップ、一斗缶やペール缶を含めた金属類の有価物化を行っております。また、品質管理活動の一環として不適合品廃棄を減らす活動も併せて進めております。廃棄時にはその都度計量し、部署名とともにその値を記入します。毎月集計しその数値を社内LANに公開します。

廃棄物計量記入
廃棄物計量記入所

不燃物置き場
不燃物置き場

可燃物置き場
可燃物置き場

使用済みラップ(有価物)
使用済みラップ(有価物)

廃蛍光管(リース品)
廃蛍光管(リース品)

空き缶類(有価物)
空き缶類(有価物)

ラップ用圧縮機
ラップ用圧縮機

 また、工場から発生する廃棄物は、その大半が焼却処理され、その際の熱の利用と発生した焼却灰のセメント原料への転用ができるような処理業者に委託しております。以前は一部埋立処分をしておりましたが、製品材質の変更により埋立処分を不要とし、リサイクル率100%の達成が出来ました。

 廃棄物の年度ごとの量、リサイクル率、リサイクルの内訳の推移は以下のグラフのようになります。年々改善されてはいますが、課題もあります(5. をご参照ください)。グラフ中でTRはサーマルリサイクル(Thermal Recycle)、MRはマテリアルリサイクルを表します。

廃棄物量推移

リサイクル率

リサイクル量

4-2 環境マネジメントシステム

 ISO14001認証取得の取り組みは早く、1999年に認証取得をしました。また1997年茨城県より「地球にやさしい企業」緑化部門にて表彰、2002年には管理監査部門にて表彰を頂いております。この環境マネジメントシステムの体制を活用して、茨城県エコ事業所登録認定(AAA-M)、エコ通勤優良事業所認証登録、そして今回の茨城県リサイクル優良事業所(リサイクル100事業所)認定などを頂いております。

 1997年度より電力、廃棄物、水、燃料の各環境パフォーマンスの向う3年間の計画を作成し(環境目的)、更に当年度(環境目標)はそれを部署別、月別に展開して、毎月の計画値と比較しながらパフォーマンス結果を評価しております。更に2006年度からはそれぞれの環境パフォーマンスを二酸化炭素に換算して管理するように致しました。集計後の結果は社内LANに公開し、当工場の社員であればいつでも閲覧できるようになっております。また、この結果に対して2ヶ月に1回開催される環境管理委員会で問題点があれば審議します。このデータファイルの中には部署毎の数値も含まれており、その数値を各部署の管理項目として捉えております。

廃棄物量の画面
廃棄物量の画面

二酸化炭素排出量の画面
二酸化炭素排出量の画面

 下のグラフは当工場の二酸化炭素排出量の年度毎の推移です。このうちの半分が電力で、廃棄物の占める割合は全体の約4分の1です。

茨城工場 CO2排出量 推移

4-3 その他環境への取り組み

 当工場の環境負荷の中でも大きなウエイトを占める排水処理も重点的に管理しています。毎週の水質測定はもとより、水質の良さを具体的にご理解いただくために、2009年より工場排水でホタルの飼育や、2011年より工場排水をストックしておく最終放流槽でアユの飼育なども始めました。

工場内のビオトープで飼育したゲンジボタル
工場内のビオトープで飼育したゲンジボタル

最終放流槽内のアユ
最終放流槽内のアユ

 また、当工場では年に3回、一斉清掃を実施しておりますが、このうち環境月間の6月に実施する一斉清掃では工場外の公園や池、バス停留所などの清掃を行います。環境月間には工場内での記念植樹や小集団活動(QCサークル活動)を利用した環境に関する壁新聞コンクールなども行って、従業員の環境に対する意識高揚に努めています。

一斉清掃(近隣の運動公園)
一斉清掃(近隣の運動公園)

一斉清掃(工場前の道路)
一斉清掃(工場前の道路)

工場内での記念植樹
工場内での記念植樹

環境壁新聞コンクール
環境壁新聞コンクール


5. 今後の取組

 リサイクル率100%は達成できましたが、リサイクル量のほとんどはサーマルリサイクルです。マテリアルリサイクルの比率を如何に上げていくかが当面の課題です。マテリアルリサイクルが増えていけば有価物化できるものも増え、結果的に産業廃棄物の削減、更にコスト削減へも繋がります。

 それともう一つ大切なことは無駄なものを発生させないということです。不適合品や不回転在庫を発生させないことが永遠の課題となりましょう。

ページトップ