「プラスチックの循環型リサイクルシステム事業の取組み」
株式会社 岩井化成
茨城県坂東市馬立南台1263-2
(株)岩井化成は、1987年にポリエチレンの再生加工業を始め、再生原料を主体としたごみ袋の製造を続けてきました。近年、廃棄物の再利用が重視され、当社では、事業者から排出された廃ポリエチレンを、資源として回収・加工し、排出した事業者が再び利用できる商品に還元しています。
この循環型システムは、事業者の廃棄物排出抑制による産業廃棄物処理費用の負担の軽減につながり、環境と企業経営にもメリットがあり、また国内資源の有効利用につながります。今では多くの排出事業者の協力のもと、循環商品づくり運動への広がりも見せるようになりました。
1987年 | 有限会社岩井化成設立 |
2001年 | 株式会社岩井化成に商号変更 |
2005年 | 茨城県許可取得 産業廃棄物中間処理業・産業廃棄物収集運搬業 |
2007年 | エコアクション21 取得 茨城県一村一品知恵の環づくり事業 アイディア賞 受賞 |
2010年 | 茨城県地球にやさしい企業表彰 環境パートナーシップ部門 受賞 日本物流団体連合会 物流環境特別賞 受賞 日本パッケージコンテスト 適正包装賞受賞 同コンテスト (財)クリーンジャパンセンター会長賞 受賞 |
2011年 | 茨城県リサイクル優良事業所認定 |
当社では、再生原料を60〜90%以上使用した様々な循環型商品を製造販売しています。茨城県認定製品でもあるごみ袋「ファミリーパック」は、県内を始め全国各地の事業者向けに販売しています。また、住宅メーカーで排出された廃ポリエチレンからつくった再生シートや、運送業者から排出された気泡緩衝材を再生し、また同じ商品に戻る気泡緩衝材、結束用のPPバンド、そして当社オリジナル再生A4クリアファイル「Re ファイル」(リーファイル)の商品化など、さまざまな環境にやさしい再生商品開発を進めています。
ごみ袋「ファミリーパック」
再生ポリエチレンシート
気泡緩衝材 えこぷち
再生PPバンド
牛乳ビンのふたからつくった再生A4クリアファイル
当社では環境目標に循環型社会構築への貢献を掲げ、マテリアルリサイクル量の増加を目指しています。
この目標では、焼却処分ではなく再利用する事でCO2の削減や、国内資源の再利用で資源の海外流失防止にも効果が期待されています。
その他活動として、当社主催で環境シンポジウムをつくば国際会議場で開催しました。約200名の参加者に循環型リサイクルの成功事例を聞いていただきました。いろいろな企業や団体の協力で成り立つリサイクルの環を広めようと開催したものです。
また、独自の森づくりも4年目を迎えました。筑波山の麓に毎年ブナの木と桜の木を植樹しています。使用済み農業用ハウスからつくった再生ごみ袋「農強ダストパック」で製造時に発生したCO2を植樹する事で、木に吸収してもらうダイレクトカーボンオフセットの森づくり事業も行っています。
環境シンポジウムの発表の様子
植樹の様子
毎年5月東京ビッグサイトで開催される環境展での出展で、多くの方にこの循環型システムの紹介をしています。展示では廃棄物であった状態から、資源化し再び商品になった、さまざまな商品を展示しています。取組のメリットであるCO2削減を数値化し、排出者に分かりやすい提案をしています。
また、全国で初めてこの種の商品にカーボンフットプリントの表示をしました。再生商品がどのくらい環境負荷を排出しているか。また環境影響がどのくらい軽減されているかを購入者が一目でわかるようにしました。
今後、より多くの事業者とこの循環の環の普及と発展を進め、リサイクル社会構築に大きく貢献していきます。
東京ビッグサイト「環境展」の様子
NHKで2008年7月・2009年4月に放送されました。
農業用ポリエチレン製ハウス
再生ごみ袋「農強ダストパック」