茨城県ひたちなか市高野1967番地2
勝田環境グループ
「廃木材を電気にします」
従来、建築系廃木材,伐採木くず,刈草などは、柱材などの有用物を除き、廃棄物として焼却処理が行われていました。勝田環境グループでは、これらの有効利用されていない廃棄物を受け入れ、バイオマス燃料を製造します。製造したバイオマス燃料は、隣接地に設置した木質バイオマス発電所【(株)バイオパワー勝田:勝田環境(株)とプラントメーカの(株)タクマとの合弁会社】でバイオマス発電事業の燃料となっています。バイオマスは、自然由来であることからCO2を増やさない燃料であり、地球にやさしい発電所として地球温暖化問題に貢献しています。
施設種類 :木くずリサイクル施設
施設規模 :370t/日
取扱い品目:建築系廃材、伐採木くず、刈草、剪定枝、パレット等
その他 :平成14年ISO 14001取得
施設種類:木質バイオマス発電所
使用燃料:木質バイオマス 150t/日
施設規模:蒸気量25.5t/h
発電能力:発電端4,900 kW(送電端4,100 kW)
その他 :新エネルギー事業者支援対策費補助事業
(経済産業省)
新エネルギー等発電設備認定(RPS)取得
建築系廃木材,伐採木くず,刈草などのバイオマス原料は、勝田環境(株)の木くずリサイクル施設に搬入します。木くずリサイクル施設では建設系バイオマスラインと未利用バイオマスラインの2系列を設け、チップ化後の混合調整を容易にしています。チップは、ボード原料,敷きわら等マテリアルリサイクルに優先的に再生利用し、再生利用に適さないチップを燃料チップとして(株)バイオパワー勝田(木質バイオマス発電所)に搬入します。
(株)バイオパワー勝田では、流動層ボイラーで燃料チップを燃焼させ、高温高圧の蒸気を作ります。その蒸気で蒸気タービンを回して発電を行い、場外に売電しています。
建設系廃木材,伐採系木材(未利用)から製造される燃料チップは、発熱量,灰分等燃料としての品質が異なります。このため各々の特徴に合わせ2ラインの破砕施設を設置し、燃料チップ化後の混合により燃料の品質調整が容易になっています。
勝田環境(株)の木くずリサイクル施設と(株)バイオパワー勝田の木質バイオマス発電所が隣接していることにより、コストだけではなく輸送に係るCO2排出量も削減しています。また総合リサイクル施設の(株)カツタも含めて、同一地域に廃棄物の再利用、資源化、エネルギー有効利用を集中的に進めていく資源循環型システムを構築しています。
全量バイオマス燃料を使用した流動層ボイラーによる22%強の高効率発電となっています。建築廃木材系チップの他、未利用バイオマスである剪定枝,生木,刈草等のチップを燃料としており、幅広いバイオマス燃料が使用可能な発電所となっています。
単独では関東初の木質バイオマス発電所として、経済産業省より「新エネルギー事業者支援対策事業」の補助金を受け、RPS設備認定を取得しています。
配輸送(配輸送距離の減少)によるCO2削減効果約1,000t-CO2/年とバイオマス発電によるCO2削減効果約12,000t-CO2/年により、年間合計約13,000t-CO2の削減効果が得られています。
配輸送削減効果により、軽油換算約390 kL/年の節約,バイオマス発電により原油換算約8,000 kL/年の節約となっています。
バイオマス発電所の稼動に伴い、木くずリサイクル施設の廃棄物受入量が16,150t/年から32,000t/年に増加する一方、同施設の廃棄物排出量は、9,750t/年から2,500t/年に減少しています。そのため、再資源化率は、39.6%から92.2%に飛躍的に向上しています。
現在計画中のバイオディーゼル燃料(BDF)製造施設の完成と(株)カツタの現有焼却プラントの廃棄物発電改造計画を実行し、このエリアを「リサイクルパーク」から「エネルギーパーク」へ転換し、「再生可能エネルギーを集中的に導入するモデル地域」を目指します。