中央電気工業株式会社鹿島工場
有害物を含む廃棄物の高温溶融固化処理による無害化とその溶融固化物のリサイクル事業

その他知事が特に優良と認める事業部門

鹿嶋市光4番地
中央電気工業株式会社鹿島工場
「有害物を含む廃棄物の高温溶融固化処理による無害化とその溶融固化物のリサイクル事業」


1. 会社概要

当社は、明治40年スタートの水力事業に端を発しており、昭和9年に現社名となりました。
現在では、電気炉による合金鉄事業をコア事業とし、環境事業・機能材料事業などを、展開しております。
鹿島工場では、合金鉄事業と環境事業を行っております。
合金鉄は鉄鋼業に不可欠の副原料です。夜間操業を主体に国際競争力のある合金鉄を安定的に製造し、供給しております。
環境事業は、平成7年から、合金鉄炉と蓄積した操業技術を生かして、民間初の焼却灰溶融固化処理を開始しました。平成14年に能力を増強して『廃棄物溶融リサイクルセンター』とし、産業廃棄物、汚染土壌の処理も行っております。


2. 事業の概要
施設名 中央電気工業株式会社、鹿島工場廃棄物溶融リサイクルセンター
場所 茨城県鹿嶋市光4番地
環境事業の経緯 平成7年から、合金鉄炉と蓄積した操業技術を生かして、民間初の廃棄物高温溶融固化無害化処理を開始。平成14年に能力を増強して『廃棄物溶融リサイクルセンター』とし、産業廃棄物、汚染土壌の処理も行っております。
対象廃棄物 一般廃棄物(焼却灰ばいじん、破砕残渣、不燃残渣、し尿焼却残渣、汚泥等)
産業廃棄物(がれき類、ガラスくず及び陶磁器くず、金属くず、汚泥、鉱さい、燃え殻、ばいじん等)
特別管理産業廃棄物(重金属、有機塩素系化合物、ダイオキシンなどの基準値を上回るもの、及び廃石綿(アスベスト))
汚染土壌(ダイオキシン等に汚染されたもの)
年間処理溶融の能力 65,000t/年
フェロマンガン電気炉(2基稼動) … 20,000t/年
専用電気炉(2基稼動) … 45,000t/年
溶融固化システムの特徴

(1)既存施設の有効活用ならびに専用炉による溶融

  • 既存合金鉄製造炉:合金鉄製造と併せて焼却灰の溶融固化を行うことにより、廃棄物を合金鉄製造の原料として活用できる極めて合理的なシステムです。
  • 専用炉:合金鉄製造炉では不純物や形状の影響で処理に限界がありましたがその処理が可能となりました。
  • 複数炉による処理体制で、焼却灰、ばいじんをはじめダイオキシン等の有害物質を含む産廃や汚染土壌、アスベストなどの溶融処理ができます。排出事業者の立場では、より安心して処理計画を立てて頂けます。

(2)高温処理による有害物の安定化、安全性

  • 溶融固化処理は旧厚生省指定(厚告194号)の特別管理廃棄物であるばいじんの処理方法のひとつであり高温での溶融はダイオキシンの無害化も完全に行えます。

(3)高効率の減容化、減量化の達成

  • 容積は35%、重量は60%まで減少致します。

(4)資源リサイクル

  • 整粒し、路盤材、景観舗装材として活用。
    道路用骨材のJIS化状況:平成14年7月にテクニカルレポート(TR)が公開されました。
溶融固化システムのフロー

図1. 溶融固化システムフロー、受け入れから固化まで、処理のフローを御参照下さい。

溶融固化物(エコスラグ)の活用

図2. 『エコスラグのリサイクル』に、エコスラグの環境安全性等の品質について確認した上で、各種用途への活用を行っており、その内容を記載しております。

図1. 溶融固化システムフロー

図2. エコスラグのリサイクル

廃棄物溶融固化処理の実績

(1)廃棄物溶融量
図2. 廃棄物溶融固化処理量の推移より溶融固化処理委託量は年々増加しております。平成16年度で処理量、40千トン(内、産業廃棄物は8千トン)であり、今後も処理の拡大が見込まれます。

(2)再資源化効果
溶融固化により、処理した廃棄物100%に対し、再生資源として、スラグ60%、メタル5%、飛灰5%が得られます。平成15年度実績では、31千トンの廃棄物に対し15,600トン、メタル1,550トンが得られております。このことを言い換えれば、31千トン分の最終処分場への埋め立てが軽減され、17,150トンの天然資源の節約が図られたこととなります。

図3. 廃棄物溶融固化処理量の推移

(3)合金鉄製造における資源の有効活用の効果
合金鉄、シリコマンガン製造ではSi源、Fe源として、シリコマンガン合金鉄1トン製造当り約500kgの珪石、約200kgの鉄鉱石を使用しております。代替原料として廃棄物を配合することにより、廃棄物中のSi、Feが利用できます。天然資源である珪石、鉄鉱石の使用節約が出来ます。
また高炭素フェロマンガン製造ではMn、Fe源としてFeMn鉱石を使用しており、シリコマンガン製造と同様に、廃棄物中のFeの利用が図られます。さらに、高炭素フェロマンガン製造からのスラグはシリコマンガン製造の原料として再使用されますので、廃棄物中のSiも有効利用されます。
以上より合金鉄炉での廃棄物処理の効果として、天然資源である珪石、鉄鉱石、FeMn鉱石の使用節約が出来ます。

(4)ダイオキシン汚染土壌等に関する処理実績
平成14年度以降、ダイオキシンに汚染された土壌等の処理を行っております。
今後、平成15年2月の土壌汚染対策法の施行にともない、処理委託の拡大が予想されております。

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