茨城県水戸市元吉田町1274-1
エア・ウォーター株式会社 エコ・ロッカ事業部
エア・ウォーター化成株式会社
「住宅設備・建材工場における100%リサイクル原料による高性能木質建材の生産」
弊社住設事業の製造部門として、昭和40年に水戸市元吉田町に水戸工場を建設。以来、当工場では、ユニットバスを中心とする強化プラスチック(FRP)製品の製造を行ってきました。そのなかで、FRP工場で発生する端材は、従来、再資源化が困難とされてきました。また、建設リサイクル法や資源有効利用促進法等の循環社会形成関連法の整備の中で、住宅設備・建材の生産と解体・廃棄に伴う廃棄物の発生抑制、リサイクル促進が課題となっています。特に建設発生廃木材の再資源化率は低く、木質系建材として再資源化する技術の開発と住宅利用の促進が望まれています。
今回、エア・ウォーターは水戸工場で発生するFRP端材と地域で発生する廃木材や再生プラスチックを原料に、デッキなどのエクステリア・景観部材や住宅水廻り壁材などに利用できる高性能木質建材を開発し、工場のゼロエミッション化と住宅資材のリサイクル向上に取組んでいます。
ユニットバス工場 2500トンプレス |
FRP粉砕プラント |
エア・ウォーターでは経営理念として「空気・水、そして地球にかかわる事業の創造と発展」を掲げています。本事業は工場のゼロエミッション達成と住宅設備の環境配慮設計とともに、住宅水廻りリフォーム材や公共景観材として木のもつアメニティを追求した環境リサイクル製品事業の創出という意味を持ち、当社の「環境経営」を発展させるものとして位置付けています。
技術開発、商品開発と事業化を推進するエア・ウォーター株式会社の「エコ・ロッカ事業部」を2003年7月に設置し、製造部門のエア・ウォーター化成株式会社、住宅設備販売のエア・ウォーター・エモト株式会社等をあわせてエア・ウォーターグループ全体としての取組み体制を整備致しました。
この事業部、製品の名称となる「エコ・ロッカ」とは、“エコロジー”と“ポロロッカ”(アマゾンで海の満潮時に水が大きく逆流する現象)を組合せた造語で、自然循環をイメージして名付けられました。
エア・ウォーターでは、FRP廃材を微粉化し建材の原料として活用する技術を開発致しました。「エコ・ロッカ」は廃木材、再生プラスチックとこのFRP粉を混合して加熱成形した主原料の100%をリサイクル素材を使用した新しい木質建材です。
FRP粉を含むこの材料は、従来品に比較して熱膨張率、吸水率が小さく、木の風合いを生かしながら、耐水性や耐朽性の面では天然の木にはない高い性能をもつ新しい木質建材です。高い品質管理の下で安定した製品がつくられ、様々な複雑な形状の製品の製造も可能です。
この新木質建材を使用して水廻りにも使用できる内装材、商品名「エコリアル」を開発しユニットバスの壁パネルとして採用致しました。
エクステリアの主力商品としてデッキ材(商品名、「エコロッカ・デッキ」)、フェンス類を開発致しました。このエコロッカ・デッキは現在、建設中の新国際空港の送迎デッキとして納入致しました。
近日発売を開始した内装材(商品名「エコロッカ・ウォール」)は、リフォーム、新築のどちらにも対応し水廻りに強く、VOC濃度もF☆☆☆☆相当の優れた木質建材です。
「エコロッカ・デッキ」施工例 |
「エコロッカ・ウォール」施工例 |
今後はさらにこの新複合材料の難燃化、発泡軽量化等の高機能化、高付加価値化に取組み当社のリサイクル事業の促進を目指すとともに、持続的社会の構築に向けて努力致します。