株式会社関商店 茨城工場
産業古紙・廃プラスチック類の新型固形燃料(RPF)製造、販売

その他知事が特に優良と認める事業部門

猿島郡総和町北利根14番1
株式会社関商店 茨城工場
「産業古紙・廃プラスチック類の新型固形燃料(RPF)製造、販売」


1. 工場概要

当工場は、総和町の北利根工業団地に立地し2000年7月に茨城県知事より産業廃棄物処分業の許可を取得し、新型固形燃料(RPF)の製造販売を事業の主体として操業しております。

  1. 操業:2000年7月
  2. 従業員数:63名
  3. 主要製品:
    1. 新型固形燃料(RPF) 2. 溶鋼用鎮静剤
  4. 工場規模:
    土地面積:18,962.40m2 建物面積:3,984.56m2

2. 固形燃料化事業に取り組むに至った経緯

従来、再生困難とされていた複合紙、ラミネート紙、プラスチック類等の廃棄物は、その処理方法の多くが、焼却又は破砕後埋立処分となり、環境への負荷が問題視されると共にこれらの有効利用が望まれておりました。弊社では「燃料化によるエネルギー源」としての有効利用とすべく、研究を重ね最終的にわが国産業界でその大半を輸入に頼っている化石燃料の代替燃料として有効利用可能との結論を得、本事業に取り組みました。


3. RPFとは紙とプラスチックを固形化した燃料のことで新型固形燃料RPFと一般廃棄物を主体としたRDFとはどのように違うのか
  RPF:Refuse Paper and Plastic Fuel RDF:Refuse Derived Fuel
原料 産業廃棄物系プラスチック、古紙 一般廃棄物が主(生ゴミ混入)
発熱量 6,000〜9,500kcal 3,000〜4,000kcal
製品成分 塩素分:0.2%以下
灰分:6%以下
塩素分:4〜7%
灰分:12から18%
製品粒度 使用条件により変更可能 組成不定により製粒化難。
設備コスト 100 RPF設備100に対して150〜200
燃料単価
(石炭比)
石炭の約半値 品質面から流通が困難。

4. 受け入れた廃棄物の固形燃料製造工程、ならびに物質収支
  1. 受け入れた廃棄物は、計量所でその廃棄物の内容を確認(紙くず又は廃プラスチック類)の上、受入れの可否を決定する。
  2. 材料ヤードに降ろし、ここで目視、機械により塩素系の廃棄物を除去します。
  3. ピット投入後、コンベヤを経由し破砕工程に行きます。破砕機では概ね40mmアンダーの形状にします。
  4. 破砕終了後、定量供給機に入ります。定量供給機では時間当たり2tの廃棄物を成形機へ送ります。
  5. 成形機で水や火を使用する事無く、摩擦熱により粒状に成形します。
  6. 成形された固形燃料は、空送装置又はコンベヤを経由し製品ヤードに一時貯留されます。
  7. 製造された固形燃料は大型ダンプ車等により需要家に納品します。

5. 新型固形燃料(RPF)の販売

弊社において製造された新型固形燃料(RPF)は、日本製紙株式会社、王子製紙株式会社、大王製紙株式会社等といった国内製紙メーカーの大手が主要販売先となっております。環境面(CO2排出削減)の観点からご利用を頂いており、なかでも王子製紙株式会社様はRPF炊きのボイラー建設を国内各地に予定しており、RPFの需要はさらに加速、増加していく方向です。


6. 廃棄物の発生・排出抑制の取り組み内容
(1)廃棄物発生・排出抑制の実施内容

弊社の固形燃料化事業における燃料化不適廃棄物は、その主体が塩素系の廃棄物です。排出事業者様から廃棄物の引取り及び持ち込みにあたっては、排出事業者様に分別の徹底をお願いしているところです。受け入れた廃棄物の中に塩素系の廃棄物が混入していた場合、そのサンプルを排出事業者様に返却する等、次回搬入時には混入することのない様お願いしております。また、新たに弊社へ廃棄物を搬入される排出事業者様に対しては、事前の訪問において受入れ可能なもの、そうでないものを確認するとともに、初回搬入時における廃棄物の確認のため立会いをし、改めて分別の徹底をお願いしております。

(2)廃棄物発生・排出抑制の実施フロー
  1. 排出事業者様に対する分別排出の徹底
  2. 固形燃料化不適物の返却及び固形燃料化不適物の指導
  3. 固形燃料化不適物の除去についての提案
(3)廃棄物の発生量、排出量、再資源化量及び最終処分量の推移

本施設は、平成12年度途中から本格稼動致しました。3,200t/月のプラントを保有しておりますので、本事業にご理解を頂ける茨城県内の排出事業者様を中心にお客様を増やし、フル操業に向け事業展開を進めてまいりたいと思料しております。
また現状、最終処分量(排出事業者様への返却量を含む)は受け入れた廃棄物の4%前後で推移しておりますが、排出事業者様のご理解を頂くとともに弊社の努力により、 今後は受け入れた全量を再商品化したいと方策を検討致しております。


既に上記6ヶ所の事業所が稼動及び建設中であり、本事業拠点は全国に波及しつつ、又、その生産能力は約12,000t/月になっております。現状、上記以外にも本事業への賛同企業がさらに数社有り、本事業拠点のさらなる拡大が見込まれております。再資源化事業が普及されれば、RPFが化石燃料の代替として製紙メーカーで継続的に利用される予定です。地球温暖化防止、エネルギー源の確保、ダイオキシンの排出抑制ならびに最終処分場の延命化等に大きく貢献できるものと確信しております。


8. 今後の課題・構想

従来、産業廃棄物を中心として事業展開してまいりましたが、平成12年度より完全実施された『再生資源の利用の促進に関する法律』(容器包装リサイクル法)では、ダンボール等を除いた「その他紙製容器包装」の再商品化手法として固形燃料化ならびに溶鋼用鎮静剤が認められております。一般廃棄物の再商品化事業の普及と従来にまして固形燃料化事業の普及に取り組みたいと考えております。また、本事業を推進していくためには施設の設置許可等、高いハードルがあるのも現実です。法規制の緩和等につき各種団体等を通じてお願いして参りたいと考えております。

表彰の実績

平成7年3月16日財団法人クリーンジャパンセンターより
RPF(再生廃プラスチック燃料)の製造事業

平成9年12月1日通商産業省より
新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法第8条第1項の規定に基づく認定

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