積水ハウス株式会社 関東工場
関東工場におけるゼロエミッション活動

リサイクル100事業所部門

猿島郡総和町北利根2番地
積水ハウス株式会社 関東工場
「関東工場におけるゼロエミッション活動」


1. 概要

積水ハウス株式会社 関東工場は茨城県猿島郡総和町に昭和45年8月に当社2番目の工場として稼動を始めました。鉄骨系、木質系の工業化住宅の部材を製造し関東地区に部材を供給しています。出荷量は当社の6工場の中で最も多い工場です。当社の生産部門である全工場は、ゼロエミッションを目指し排出物の再資源化処理を推進し、2002年4月に再資源化率100%(年間累計再資源化率約100%)を達成しました。現在は自社リサイクル(工場からでる排出物を当社製品に有効利用する)の拡大、発生抑制の推進等の継続的改善活動に取り組んでいます。


2. 取組み経緯

1999年11月「環境未来計画」を発表し積水ハウス株式会社の環境に対する基本方針が定められました。基本方針として「(1)地球環境の保全に努める」「(2)住まいの環境向上に努める」「(3)社会への貢献に努める」が定められ社長を頂点とした全社環境会議及び環境各部会を設け、各事業場に適した環境保全活動を実施し、常に環境対策の向上を図るようになりました。

この部会の中に工場ゼロエミッション部会があり、(1)の方針を受け生産から出荷に至るまでの、エネルギーの消費削減と有効利用、資源の有効活用、排出物削減に関わる目標を設定し、その管理改善を行う環境管理システムを整備し、国際環境規格の実現と充実に努めることに成りました。

この方針により工場においては排出物を2005年1月末には埋め立てゼロ、工場内焼却ゼロ(場外単純焼却不可)を目標とし3R(リサイクル、リユース、リデュース)を推進する活動を進めてきました。その結果全工場において2002年4月末に先の目標を前倒して達成することが出来ました。その中で、関東工場では焼却炉を2001年5月に停止、そして2002年11月には解体を完了しました。自社リサイクルとして当工場より発生する排出物(木粉)を利用した製品を2002年2月より製造をしています。 2003年4月には当社協力メーカーにて2〜3品種追加し製造を開始します。


3. 改善活動事例
(1)ゼロエミッション活動
目的
2005年1月末までに産業廃棄物の埋立廃棄物ゼロ、工場内焼却ゼロ(外部単純焼却不可)を達成する。
施策
全国6工場よりメンバーを招集しプロジェクトチームを結成する。各工場と連携し目標を達成すべく分別方法、リサイクル方法、リサイクル業者の選定等を企画、立案し各工場に提案する。そして各工場で詳細案を作成、実行した結果、2002年5月に目標より2年半程早くゼロエミッションを達成出来ました。リサイクル推移(図1)排出物処理ルートは添付図のとおりです。
リサイクル推進図(図1)
(2)自社リサイクル推進
目的
廃棄物となる排出物を当社製品の原材料として利用し循環型社会の形成の一助とする。
施策
2002年2月より自社内で発生する木粉を利用した製品を一品目製造開始した。 協力メーカーも含めて木粉を利用した製品を2003年4月には2〜3品目追加する。 また、製品の梱包に使用した包装材を養生シートなどに再生加工することを計画している。
(3)返品余剰材削減活動
目的
工場より出荷した資材が施工現場で余剰となった場合返品されるが、この余剰材を極力少なくする。
施策
工場内で余剰材削減活動を実施し工場に戻される返品材の内容を関係部署で確認する。なぜ発生するか、なぜ戻されるかを調査しオーダー基準の見直し(余裕の見方、適正な数量)、施工方法指導(確実な施工)等を実施している。まだ、活動の期間は短いが余剰材の量は減少傾向にあり効果が出て来ている。
(4)分別ガイドの作成
目的
工場内で発生する排出物の分別を確実に実行できるようにしゼロエミッションを維持する。
施策
排出物の分別を周知ために分別ガイド(図2)を作成した。分別ガイドは誰にも分かり易い内容にするため写真を多用し分別方法、解体方法も掲載し工場内ホームページにのせた。なお、作成は当社で実施した。
分別ガイド(図2)
分別詳細
(5)電子化促進による紙の削減
目的
当社49期(99.2〜00.1)コピ―用紙購入量663千枚、コンピュータ用紙1,068千枚を52期(02.2〜03.1)までに30%削減する。
施策
コピー用紙はすべて再生紙に切り替えた。 その後コピー裏紙使用、コンピュ―タ用紙をカットして使用するなどを実行しコピー紙削減に努めた。電子化を推進し会議での資料配布を中止しプロジェクターで行うことにした。ISO文書・仕様書の電子化を進めパソコンでの閲覧とした。各種資料も見直し必用性の低い物は廃止した。その結果2002年6月に目標は達成した。(右図)
(6)社員教育
目的
排出物による種々の影響を社員に理解させ、分別を進めることによりリサイクルが推進できゼロエミッションが達成出来るようにする。
施策
エコニュースを定期的に発行し社員の啓発活動に利用する。(図3)また、一人4件(年間)の環境提案をする提案活動も実施している。
エコニュース(図3)
(7)有害物質の削減
目的
有害物質の使用を削減し地球環境の保全に努める。
施策
鉄骨を塗装にする時に表面処理が必要で処理薬剤からマンガン、ニッケルを除去する。鉄骨塗装ラインは3ライン有るが2ラインは実施済で後1ラインは2003年4月に実施予定である。また、塗装用の塗料も鉛含有物を含まないものに2001年1月より切換えを開始し2002年末に完了した。外壁、木製品の接着に使用する接着剤を有機溶剤(トルエン、キシレン、塩化メチレン)を含まない物に切換える。塩化メチレンを含有したものは2003年4月には切換え予定である。トルエンに関しては接着剤の開発は完了しテスト中である。
(8)生ゴミの有効利用
目的
生ゴミを廃棄物とせず肥料等にして有効利用を計る。
施策
生ゴミ処理機を導入し食堂、事務所より排出される生ゴミを減容化し肥料に利用できるようにする。生ゴミ処理機は2002年6月に導入済である。芝生、樹木の育成に利用している。

4. 今後の活動

来期からは新たな目標を掲げ環境改善活動を再スタートする。当社の環境に対する基本方針は先に説明したとうりであるが、「(1)地球環境の保全に努める」の中から国、業界団体からの指針を受け「CO2排出低減」「資源有効利用、排出物削減」「有害物質の排出削減」をテーマとして目標値を定め活動推進して行きます。また、施工現場での排出物削減に対しても施工部門と連携し施工現場の改善を進める今後も当社は地球環境の保全に努めて行きます。

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