日立市幸町三丁目1番1号
株式会社 日立製作所 電力・電機グループ 日立事業所
[日本標準産業分類番号 F2978]
「廃棄物のガス化溶融、炭化による最資源化技術の開発」
日立事業所は、明治43年 国産技術の確立を目指し、日立製作所の発祥工場として設立されました。現在では、海岸工場・山手工場・臨海工場・埠頭工場の四工場と素形材本部から成り立ち、電力発電設備・一般産業機器からパワーデバイス、環境関連製品まで幅広く製作している工場です。また、省エネルギー・廃棄物削減等環境活動に積極的に取り組んでおり、1997年にはISO14001(環境マネジメントシステム)の認証を取得しております。
環境への配慮が重要視される社会状況において、ごみ処理については近年焼却灰など不燃物の最終処分場のひっ迫、金属などのリサイクル及び廃熱の有効活用の必要性、ダイオキシン問題などが指摘されています。これに対し、上記問題点の解決手段として次世代型廃棄物処理技術であるガス化溶融システムが注目されている。当事業所では、1995年10月その開発に着手した。
システムフロー図を図1に示す。ごみを、破砕、乾燥した後にガス化炉に投入し、500〜550℃で間接加熱して、熱分解と熱分解残さ(チャー)に分離する。熱分解ガスは、バーナーにより1,000〜1,100℃で全量燃焼し、ガス化炉、乾燥機、スーパーヒータの加熱源として活用する。一方、チャーは金属を未酸化状態で回収した後に、溶融炉に空気と共に供給し、低空気比のもと1,300〜1,400℃で燃焼して、灰分は液融スラグ化する。排ガスは、ボイラで蒸気を発生させた後に排ガス処理設備を通ってクリーンな状態で排出される。
システムフロー図を図2に示す。前述のシステムを用い、ガス化炉を灰化炉として活用し、熱分解残さ(チャー)の塩素分を除去し、新しい固形燃料を製造する。
実証施設を図3に示す。
また、ガス化炉を図4、溶融炉を図5に示す。
図4 ガス化炉(奥)バーナー(手前) |
図5 溶融炉(右)と減温塔 |
項 目 | 他 社(%) | 当 社(%) |
---|---|---|
スラグ化率 | 51〜90(大半が7,80台) | 93 |