鹿島共同再資源化センター株式会社
鹿島方式による廃棄物共同再資源化事業
先駆的再資源化技術・装置・システム開発
鹿島郡神栖町大字東和田21ー3
鹿島共同再資源化センター株式会社
[日本標準産業分類番号 L8722]
「鹿島方式による廃棄物共同再資源化事業」
1. 鹿島共同再資源化センターの概要
当センターは鹿嶋市、神栖町、波崎町から排出される可燃性の一般ごみからつくられたRDF(固形燃料)と鹿島臨海工場地帯の企業から排出される可燃性の産業廃棄物を焼却し、その熱エネルギーを回収して有効活用(発電等)するとともに、地域全体の大気環境の改善を目的に設立した。当センターは、茨城県、地元1市2町(鹿嶋市、神栖市、波崎町)、日本政策投資銀行及び鹿島臨海工場地帯の企業からの出資による第3セクターによって運営されている。
(1)会社概要
社名 |
鹿島共同再資源化センター株式会社 |
所属地 |
鹿島郡神栖町大字東和田21ー3 (鹿島臨海工場地帯内) |
資本金 |
33億800万円 |
敷地面積 |
30,000m2 |
主要株首 |
県15%、1市2町15%、日本政策投資銀行15%、企業(77社)55% |
設立 |
平成10年12月1日 |
施設竣工 |
平成13年3月31日 |
開業 |
平成13年4月1日 |
人員 |
32名
常勤役員及びスタッフ:12名
運転要員:16名(24時間連続運転:1直4名で4班3交代)
前処理要員:4名 |
総事業費 |
54.5億円 |
年間売上 |
8億円(フル稼働時見込み) |
処理能力 |
100t/日の焼却炉×2基 計200t/日(300日/年稼動) |
発電能力 |
3,000KWH/H(2,000kw売電、1,000kw所内消費) |
(2)事業目的
- 産業廃棄物、一般廃棄物及び固形燃料の処理
- 産業廃棄物、一般廃棄物及び固形燃料の焼却熱の利用による電気事業
- 蒸気、温水等の熱供給に関する業務
- その他関連業務
(3)処理フロー
2. 設立の経緯
平成4年 |
茨城県の第4次産業廃棄物処理計画の工業団地内廃棄物の共同処理モデルとして計画がスタート |
平成7年3月 |
鹿島地区共同再資源化センター計画調査委員会が、鹿嶋市、神栖町及び波崎町の1市2町の一般廃棄物を含めた共同事業体設立を提言 |
平成7年5月 |
鹿島臨海工業地帯企業連絡協議会がセンター推進プロジェクトを発足させ、それと平行して国、県、鹿嶋市、神栖町及び波崎町の支援体制が整備された。 |
平成10年12月 |
国、県、1市2町及び鹿島臨海工業地帯企業連絡協議会構成の企業からなる第3セクター方式の鹿島共同再資源化センター(株)が設立された。 |
平成11年9月 |
民活法の認定を取得するとともに施設の建設に着工 |
平成13年3月末 |
鹿島共同再資源化センター及び鹿島地方事務組合の鹿嶋RDFセンターが完成。 |
平成13年4月1日 |
操業開始(波崎RDFセンターは、平成14年3月未完工予定)
(1市2町の焼却施設は廃止又は休止された。) |
3. 処理廃棄物の種類及び構成
(1)受入対象可燃性廃棄物を廃棄物処理法上で分類
- 産業廃棄物
- 汚泥、廃油(特別管理産業廃棄物を含む)、廃プラスチック、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残渣
- 一般廃棄物
- RDF、事業系一般廃棄物
(2)廃棄物の構成比率
廃棄物の種類 |
計画構成比率 |
現況 |
RDF |
51% |
約42% |
産業系廃棄物 |
49% |
約58% |
4. 環境対策
(1)ダイオキシン対策
- 24時間連続操業により、炉の立上げ・消火時のダイオキシン類発生を抑える。
- 廃棄物を850℃以上で焼却するとともに、燃料ガスを4秒以上滞留させることでダイオキシン類の発生を抑える。
- 焼却炉からの燃焼排ガスを調温塔で170℃まで急冷することによりダイオキシン類の再合成を抑える。
- 発生したダイオキシン類はバグフィルターで捕集する。
- さらに、バグフィルターを通過したダイオキシン類は解媒反応塔で分解除去する。
(2)ばいじん、硫黄酸化物、塩化水素対策
- 焼却時に発生した硫黄酸化物及び塩化水素は消石灰で中和する。
- 消石灰で中和された硫黄酸化物及び塩化水素は、はいじんと一緒にバクフィルターで捕集する。
(3)窒素酸化物対策
- ロータリーキルン炉内での尿素による無解媒脱硝を行う。
- さらに、解媒反応塔での分解により除去する。
(4)焼却灰等の処理
- 飛灰は、キレート薬剤処分及びセメント固化処理の無害化処理を行う。
- 焼却灰及び飛灰は液出試験を行い、埋立処理基準に合格したことを確認する。
- 基準に適合した焼却灰及び飛灰は、県内の管理型最終処分場に埋立てる。
(5)排水処理
県共同汚水処理場の流入基準を満たすように、所内の排水処理施設により処理した上で排水している。
(6)測定結果
(7)環境保全効果
- 二酸化炭素の排出削減
当センターでは、廃熱をボイラーで蒸気として回収し、発電を行っている。従って、当センターで発電した分だけ、これまで火力発電所で重油を燃やして発電していた分の重油が削減され、重油燃焼に伴う二酸化炭素の発生を抑制することができる。(平成13年度の二酸化炭素の排出削減見込み量 約3,800トン)
- ダイオキシン類の排出削減
当センターでは最新の焼却設備を設置し、受託した廃棄物を最適な管理のもとで焼却処理しているため、これまで、1市2町、企業及び処理業者が既存の焼却施設で焼却した場合と比較して、ダイオキシンの発生を大幅に抑制することができる。*ダイオキシンの排出削減量(平成13年の見込み)
旧施設で処理したと仮定 |
当センターの実績で計算 |
削減量(削減率) |
6.2920416g |
0.011831g |
6.2908585g(99.98%) |
5. 取り組みの先進性
(1)当センターの再資源化事業の先進性
- 地域で発生した廃棄物を、地域内で処理することで、資源循環型社会のモデルとなる。
- 改正廃棄物処理法令に適合した、新設設備基準により設置された最新施設で、焼却及び排ガス処理対策を行っていることにより、ダイオキシン類の大幅な削減を実現している。
- 廃熱ボイラーを設置し、焼却熱を活用して発電するなどの熱の有効活用を図ることにより、サーマルリサイクルを実践している。
(2)当センターの最資源化事業の独創性
- 可熱性の産業廃棄物と一般廃棄物のRDFを同一施設で焼却処分する全国で始めての施設である。
- 発電施設は、民活法第16号のロの特定施設(再生資源を原材料とする燃料を利用した発電施設 又は熱供給施設)として認定された、全国初の施設である。
- 再資源化センターは、国、県、1市2町と地域企業が第3セクター方式で運営する施設である。
(3)他と比較した場合の優位性
- 産業系の高カロリー及び低カロリーの廃棄物と、排出量及びカロリーの安定したRDFを同一施設で高率よく燃焼させることにより、高温での安定した連続焼却が可能となっている。
- 廃熱をボイラーで回収し、発生した蒸気で発電している。発電した蒸気は売電する外、一部を所内で使用することにより、熱の有効活用ができる。
- 第3セクター方式で運営する施設で、十分な環境対策を行っているため、地域社会の方々に安心を与えることができるとともに、委託企業の方々も廃棄物の処理を安心して委託することができる。